◆◆◆◆◆◆1995年沖縄蝶ニュース◆◆◆◆◆◆
概要;「1995年、日本の蝶10大ニュース」より。
日本未記録種、キシタアゲハが採れる!;波照間島でキシタアゲハ(1♀ 1995年11月3日 後藤 和夫)採集される。汚損した♀なので、3月中旬頃と予想し発生を期待したいと締めくくっている。
日本未記録種、タイワンヤマキチョウが採れる!;与那国島でタイワンヤマキチョウ(1♀ 1995年6月22日 小泉健一、1♂ 1995年6月29日・1♂ 1995年6月30日 松村謙一)が採集された。この種に関しては、「3頭もまとめて飛んできたとは思い難く、1994年10月に八重山にきた台風29号が母蝶をもたらし、与那国で越冬した母蝶が産卵し発生したのではないか」小路氏とは思えない予想が書かれている。沖縄に永住した自分としては迷蝶は複数固まって飛んでくると思っているので、複数採集されても当然で発生だとはなかなか思いつかない。
与那国島でコモンタイマイ・フィーバー!;1995年6月に産卵を目撃、発生が確認された事から、秋まで採集を楽しむ蝶屋で賑わった。与那国ではその後、発生の消長を繰り返し2020年は当たり年だった。それでも、いつ消えるか分からないのが発生迷蝶である。
与那国島 迷蝶ラッシュ!;与那国島では西條さんが蝶の採集を本格的に始められたこともあって、現地から最新の情報が流れ、採集者が多く集まるという好循環で益々情報が溢れることとなった。条件の良い小さな島で多くの採集者が入れば必然と情報記録が蓄積されるのである。
カワカミシロチョウ、飛ぶ!;1995年のカワカミシロチョウの飛来は空前の規模、与那国島東崎で久野さんが幅50メートル、密度の高いところでは蝶どうしの間隔が1メートル未満、飛来継続時間1時間以上という、本種と思われる白い蝶の群れを観察という衝撃的な書き出しである。私も白い蝶は白い蝶同志、アサギマダラ類はアサギマダラ同志、ルリマダラ類はルリマダラ同志固まって飛来すると思っている。この白い蝶に混ざってタイワンヤマキチョウも来たのではないだろうか。なお、各地で発生があったかどうかという問題は未解決と小路氏らしく慎重に締めくくっている。また、与那国と波照間でツゲモドキで産卵を確認したが孵化した幼虫は食べなかった事も書き添えている。
《沖縄島》
カワカミシロチョウ;2♂4♀ 今帰仁村玉城林道 8月4日(蝶研サロン情報集より)
ツマムラサキマダラ;2♂ 国頭村奥〜伊江 1月3日、ほか多数例(蝶研サロン情報集より)。
《石垣島》
タイワンモンシロチョウ;3♂1♀ 川平 5月4-6日。1♂ 於茂登岳 5月15日。ほか、この期間で数例(蝶研サロン情報集より)
カワカミシロチョウ;3♂3♀ バンナ岳 6月17日、ほか1例(蝶研サロン情報集より)
ホリイコシジミ;1♂1♀ 冨崎 11月4日、ほか1例(蝶研サロン情報集より)
ウスコモンマダラ;1♀ 万勢山 6月26日(蝶研サロン情報集より)
マルバネルリマダラ;2♂ 於茂登〜嵩田 5月12日、1♀ 於茂登〜嵩田 5月13日(蝶研サロン情報集より)
ツマムラサキマダラ;1♂ほか1♀目撃 バンナ岳付近 1月7日、ほか数例(蝶研サロン情報集より)
カバタテハ;1♂ 冨崎 11月3日(蝶研サロン情報集より)。
《竹富島》
カバタテハ;2頭 竹富島 11月4日(蝶研サロン情報集より)
《小浜島》
シロオビマダラ;1頭 小浜 5月12日(蝶研サロン情報集より)
《西表島》
ホリイコシジミ;約40頭 船浦 10月29日、ほか数例(蝶研サロン情報集より)
ツマムラサキマダラ;1頭目撃 豊原 11月26日(蝶研サロン情報集より)
カバタテハ;1頭 大富 7月31日(蝶研サロン情報集より)。
《波照間島》
カワカミシロチョウ;多数 各地 6月26-28日、3♂5♀ 南 7月9日(蝶研サロン情報集より)
ウスコモンマダラ;2♂4♀ パマ崎 11月6日、ほか数例(蝶研サロン情報集より)
ルリマダラ;1♂(台湾亜種)パマ崎 6月26日(蝶研サロン情報集より)
シロオビマダラ;1♀ パマ崎 5月27日(蝶研サロン情報集より)
キタテハ;1♂ パマ崎 10月29日(蝶研サロン情報集より)。
《与那国島》
コモンタイマイ;2頭 満田原 5月30日。3♂ イランダ 11月25日。ほか、この期間で多数例(蝶研サロン情報集より)
タイワンモンシロチョウ;多数 各地 5月9日。1♂ 宇良部 6月12日。ほかこの期間に数例(蝶研サロン情報集より)
カワカミシロチョウ;1♀ 祖納 4月15日。1♂ アギンダ 7月16日。ほか、この期間で多数例(蝶研サロン情報集より)
ムラサキオナガウラナミシジミ;1♂ イランダ 10月8日(蝶研サロン情報集より)
タイワンアサギマダラ;1頭 アギンダ 6月13日、1♀ 新川線 6月16日、1♂ 久部良岳 6月30日(蝶研サロン情報集より)
ヒメアサギマダラ;1頭 アギンダ 6月13日、1♂ 久部良岳 6月30日(蝶研サロン情報集より)
ミナミコモンマダラ;1♀ アギンダ 8月5日、1♀ イランダ 8月8日(蝶研サロン情報集より)
ウスコモンマダラ;2♂2♀ 宇良部岳 9月2日、ほか多数例(蝶研サロン情報集より)
マルバネルリマダラ;1♀ アギンダ 6月15日、ほか数例(蝶研サロン情報集より)
ルリマダラ;1♂ 宇良部岳 6月28日、ほか数例(蝶研サロン情報集より)
ツマムラサキマダラ;1♀ アギンダ 6月15日、ほか数例(蝶研サロン情報集より)
シロオビマダラ;1♂ アギンダ 6月14日、ほか数例(蝶研サロン情報集より)。
●《年度別沖縄蝶ニュース2000年以前》●
ここでは2000年以前の年度ごとに沖縄県内の記録をまとめました。島嶼ごとに当時どんな話題があがったか、記録されたかを主に蝶研出版の発行書籍を繙き、沖縄県内の蝶ニュースをまとめています。「蝶研サロン」の重大ニュースなどを元に自分用の文献・記録の覚書ともいえ、記録された文献・筆者なども可能な限り書いています。
なお2001年以降は『年度別蝶ニュース』として、沖縄本島と周辺離島、宮古諸島、八重山諸島(与那国島のみ別枠)と大きく3つの地域に分け、蝶に関するニュースや話題を年度別に紹介しています。
見たい・知りたい年度を以下クリックしてください。2000年以前はこちら。「沖縄県の島の案内」インデックスへ。
《年度別蝶ニュース(沖縄本島と周辺離島)》インデックスへ。
《年度別蝶ニュース(宮古諸島)》インデックスへ。
《年度別蝶ニュース(八重山諸島)》インデックスへ。
《年度別蝶ニュース(与那国島)》インデックスへ。
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